首・肩の痛み

肩こりの女性

  • 着替えなどで袖に腕が通しにくい
  • 首・肩・肩甲骨がピリピリ痛む
  • もんでほぐしても楽にならない
  • 我慢できない痛みじゃないが、治まらない
  • 首や肩の筋違いのような痛みが続いている

 

 

ちょっとした動作での痛み・不具合… 

数日たってもおさまらないなら、今すぐ対処を!

 

 

①痛みはなぜ起きるのか

 

先の項でも紹介させていただいた「肩こり・首こり」にもありましたが、要因はスマホやパソコン、携帯電話の使用の多目的化により、同一姿勢で姿勢や筋肉が固まり続けてしまうからと考えます。

生じた「こり」や疲労が、痛みを誘発してしまう理由の大部分を占めます。

痛めてしまう決定的なきっかけは、「動かしたい時に動かない」からです。

脳が出した首や肩を動かす運動神経の指令通りに、筋肉が動けず()、動作に使うパワーを筋や関節を痛めつける方向性の動きに当てはめてしまうと、自分で捻挫や肉離れを起こしてしまうのです!

動けない理由は後述します。

 

②なぜ痛みが取れないのか

 

前述した痛みが起こるメカニズムにあてはめて考えて欲しいのですが、要は普段からの使い慣れた「着替える・背中を洗う・上のモノを取る・ハンガーに手をかける」etc…。

特に考えなくても普通にできる動作で、患部となってしまった部分に繰り返した負担を生じ続けてしまうのです!

したがって、小さい痛みを都度引き起こしてしまい、傷口を刺激し続けてしまうため、回復力よりも日々の消耗が勝ってしまう状態から抜け出すことが出来ないのです。

 

③首や肩の仕組みを知ろう

 

首・肩と、一言で済ますわけにはいかない理由があります。

さまざまな動きと役割を持つ首と肩は、単独の関節運動よりも、ユニットとしての協力関係をいくつもの関節と筋肉が作り出しているのです。

首と肩、作りと機能を知ることが回復の必須条件となります。

 

ⅰ:胸鎖関節(きょうさかんせつ)

首につながる頸椎7個の土台となる関節です。この関節の動きが悪くなると呼吸が浅くなり、頸椎の伸展(上を向く動作)がしにくくなります。

胸を十分に広げることが出来ないと、肩も内巻になる【前肩型】という猫背になって肩の動きを阻害してしまいます。

 

ⅱ:肩鎖関節(けんさかんせつ)

肩甲骨と鎖骨を結ぶ関節です。解剖図を見ていただくと分かるように胸骨(胸鎖関節)、鎖骨(肩鎖関節)、肩甲骨という繋がりがあって、はじめて軸から伝わる力を腕への運動に繋いでいく役割を担います。

 

ⅲ:肩甲上腕関節(けんこうじょうわんかんせつ)

鎖骨と繋がった肩甲骨から、腕のパーツの上腕骨が連結した関節。

真っ先に思い浮かべられる肩関節は、この肩甲上腕関節です。受け皿とそこに収まる球状の関節を有しているため、全方位に動かすことが出来ます。

便利な作りである反面、周辺の筋力が偏ると肩の捻じれを生じやすく、四十肩・五十肩などの痛みを生じることも多くなります。

 

ⅳ:肩甲胸部関節(けんこうきょうぶかんせつ)

肩甲骨が肋骨の曲面の上に、さまざまな筋肉によって「貼り付けられている骨」という認識です。

肋骨曲面と肩甲骨の(カメの甲羅のような)役割を持っている部分といえます。

原因不明な背中の痛みは、肩甲骨の位置異常によって引き起こりますが、それは後程お伝えしていきます。

 

ⅴ:胸肋関節(きょうろくかんせつ)

首の骨は7つあり、その上下の骨の連結は、「椎間関節(ついかんかんせつ)」と呼び、首と頭を支える支柱です。

ここで、触れるのは、胸骨(肋軟骨)、第1肋骨が浅くなると、ほとんど動くことが無くなります。その弊害は、胸から繋がる肋骨と第1胸椎(首の頸椎の1つ下の背骨)の周囲の筋肉も固まり、【顔出し型】という肩こり必至の猫背のタイプに属してしまうことです。

 

ⅵ:頸椎椎間関節(けいついついかんかんせつ)

首の骨の関節の間には「頸椎椎間板」があり、隙間にゆとりがあるため、動きは他方面に及びます。関節の自由度が高くて安定に欠くため、支持力を二つに分けています。

椎間関節は左右二つの骨の連結で、反り伸ばした時の制限を出します。

僧帽筋(そうぼうきん)から伸びる広靭帯(こうじんたい)という点線で表した腱のような筋の緊張で、曲げ伸ばした時の制限を出します。

単独の曲げ、伸ばしへの抑制はありますが、側方への捻じれと緊張による縮みこみ(首・肩が凝ってすくむ)が加わることで寝違いなどの激しい痛みに陥ることがあり、注意が必要です。

 

④実際の首・肩・背中や胸に出る痛みの種類

 

後程、解説させていただく「首・肩・背中の痛みを回復させる」項の前に実際に、首・肩・背中や胸に出やすい痛みを紹介します。

是非とも、続く項と併せて目を通していただきたいです。

 

ⅰ:首 … 寝違え、筋違い、ぎっくり首、椎間板ヘルニア、椎間関節炎 など

ⅱ:肩 … 四十・五十肩、肩関節周囲炎、腱板損傷、上腕二頭筋長頭腱炎 など

ⅲ:胸 … 肋間神経痛、腋窩神経痛 など

ⅳ:背中 … 長胸神経性 肩甲部痛、筋筋膜性 背部痛 など

 

➄首・肩・背中の痛みを回復させる

 

前記した各部分の働きが落ちてしまった、いわゆる「機能不全」を見直すことで、痛みを収めて状態を回復させていきます。

それぞれ首・肩・背中(胸)をパートに分けて解説します。

 

ⅰ:首の痛みを回復させる

さまざまな痛みがある中でも、着目すべきは「何をした時に痛むのか」です。

動かせないほどの痛みでも、寝ているだけでも痛むのか? 頭の重みがかかると痛むのか?

といった具合に、少しの違いも見逃さないことが肝心です。

 

⦿じっとしていても痛む場合

今現在、首の関節がうまくかみ合っていません。

『首の痛むところを覆うように、冷湿布で冷やして、タオルを捻じって首に巻きます』

安静にさせてから、頸椎の位置を直せる専門家に任せる必要があります。

 

⦿曲げて(下を向いて)痛む場合

筋違いか、椎間板が痛まっていると考えられます。起きていられるなら、ゆっくりと顔を見上げるように、首の前筋につっぱる感覚が出るくらいまで伸ばします。

一回の伸びは10秒くらいを目安に、休憩をはさんでから数回繰り返します。

痛んだときの応急処置(『』内の方法)をして下さい。

 

⦿反らせて(上を向いて)痛む場合

関節が熱を持って腫れている状態です。ギックリ首や椎間関節炎が起きていると想定します。

首の骨のゆがみを整える必要があります。応急処置(『』内の方法)の前に、写真の解説を実践しましょう。

少しつっぱりや痛みが出るくらい、顔を下に向けます。首の後ろの筋を触って、指で横から挟んでください。そのまま顔を起こして首をゆっくり左右交互に

 

⦿その他の痛み

痛みの種類がわからない、あるいは何をしていても痛い場合などは、いくつかの原因が重なっていることがあります。基本の応急処置をしていただき、頚椎の理解に秀でた専門家の意見をあおいでください。

 

ⅱ:肩の痛みを回復させる

肩関節は肩甲骨の受け皿(臼蓋)と腕の付け根(上腕骨骨頭)で結ばれた全方向の動きができます。

それゆえ、痛みの出方も複雑です。純粋に痛む場所を特定出来れば、〈冷湿布を貼ってなるべく動かさないこと〉が大切です。

腕を上げることが出来なくなる疾患としては、以下のカテゴリ―に分けます。

参考にして応急処置〈〉をする前に対処をしてみて下さい。

 

⦿四十肩・五十肩 … 肩関節拘縮を伴う痛み

→ まずは、捻じらずに真っすぐに腕を挙げる範囲がどれくらいか確認します。

その時に痛む場所に、冷湿布を貼ってください。

すでに痛みがでてからしばらく経過している場合は、温湿布でも可。

 

⦿肩関節周囲炎・肩峰下滑液包炎 … 腫れを伴う熱を持った痛み

→ 捻じったり動かしたり、ある程度以上の動き幅が出ると、特定の部分の痛みが際立つ

ため、その部分に冷湿布を貼ります。

なるべく動かすことなく、そのまま肩の機能は詳しい専門家に委ねましょう。

 

⦿肩の腱板損傷・上腕二頭筋長頭腱炎 … 力も入らず動かせない痛み

→ ほぼ動かすことのできない状態です。普段から痛い訳ではないので日常生活はできます。

しかし、脱力感を伴う痛みでしたら注意が必要です。応急処置〈〉内後に、

三角巾、無ければバスタオルで、肩から腕を吊り上げることが必要です。

肩のケガを多く経験している専門家に託しましょう。

 

ⅲ:胸・背中の痛みを回復させる

胸と背中の痛みは、数多くの関節と筋肉が関わってくるため、自己分析をするのが難しくなります。胸は神経にさわるような、するどい痛みもあります。

背中は手が届かない上に目視も出来ないため、場所が特定しにくいです。また、湿布を貼ることもしにくいため、以下の処置を施すのみに留めます。

 

⦿胸・背中の呼吸に伴う痛み

吸ったとき、吐いたときの痛みがどちらに強いのかを確認してください。

吸ったときに痛い場合は、あれば肋骨用のコルセット(無ければ、バスタオルでOK)を息を吐き切ったときに痛むところを覆うようにしましょう。

 

⦿じっとしていても主に背中が痛む、気持ち悪い

この場合は、神経の通り道が狭まっていることが考えられます。痛む場所へ冷湿布を貼ることに努めて、なるべく安静を保つことが大切です。

安静を保っても痛みが落ち着かないのであれば、速やかに首と背中の神経に詳しい専門家に診せに行きましょう。

 

まとめ

 

今回、お伝えさせていただいた内容は、いかがでしたか?

なかなかのボリュームになってしまいましたが、実際の状態別の回復法はさらに細かく分かれます。(

今後も、学術的な研鑽を重ねていき、新たに役立てていただける情報をお伝えしていきます。

 

…痛む状態から身体を回復させるためには、どうやって痛めてしまったのかが分かっていて、早めに専門家にしっかり診てもらうことが大切です。

 

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