手首・肘の痛み
- 手首に痛みやしびれ、違和感がある
- 腱鞘炎ではないかと疑っている
- 仕事や手や肘を酷使している
- 野球やゴルフなどで肘を痛めた
- スポーツ前後のメンテナンスをしたい
手首や指に出やすい不調
人の指や手首は、細かく動かしたり力を込めたりできるとても便利な機能を有しています。
そのため、もし痛みを伴ったりしびれて上手く動かせないと、日常生活にかなりのわずらわしさを感じてしまいます。
痛みやしびれは、たとえ違和感程度であっても見過ごしてはいけません!
以下に手首や指に出やすいお悩みをご紹介していきます。
もしもあてはまる不調があるならば、治療を受けて頂く事をお勧めします。
手の指の骨折
指の骨は細いため、突き指のように骨が直列に並んだ状態で痛めた時などには骨折の可能性があります。
転倒して手を突いて捻じった時などは、脱臼の可能性も考慮にいれます。
腫れが酷い時は特に注意が必要で、早急なRICE処置と整復操作(折れた骨や脱臼した骨を繋ぎ合わせる施術)を行います。
その後固定をし、病院で精密検査を受けてもらうことになります。
ばね指
指や手首を曲げる側の筋肉や腱の炎症が引き起こす、曲げ→伸ばし時の痛みとひっかかりです。
炎症した腱鞘と腱は、厚みを増すことで動きのスムーズさを欠きます。
冷却と電気刺激を行って、腫れを減らす必要があります。
手根管症候群
腱鞘炎のような手指の使用時の痛みに加えて、手先(特に中指の指先に多い)のピリピリしたような感じ、あるいはしびれ感を訴えます。
神経麻痺が起きると、母指球菌の萎縮という状態に陥ることもあります。
隣接する屈筋腱や手根骨に弛みや補正をかけて、正中神経の通り道を広げて神経伝達を良くしていく処置を行います。
手首の腱鞘炎について
手首に出る腱鞘炎には、腱鞘とその中を通る腱の炎症によって生じた腫脹(組織の水ぶくれ)による痛みと、ガングリオン(腱鞘の中に出た液体)による痛みがあります。
処置の方法もこの2種類では違いがあり、適切な方法を選んでいきますが、この項では痛みの解説を中心にお伝えします。
ドゥケルバン
親指と手首をよく使う職業の方や、30代以降の女性に多い疾患です。
腱鞘炎の最も多い状態で、処置とともにサポーターによる固定を併せて行うことで治癒率を高めることができます。
母指を握りこぶしの中に入れて握らせて、手関節と親指を術者が伸ばすと痛みを訴えるという「Finkelstein’s test」を行って、痛みの程度がひどければ一刻も早い対応をお勧めします。
母指以外に発症した腱鞘炎
前の項で上げた「ドゥケルバン」以外の腱鞘炎は、職種や趣味での偏った使い方の連続で起こることがあります。
上の絵を見ていただくとわかりやすいのですが、手の甲側の腱鞘は幅広く振り分けられていて、手のひら側の腱鞘は手首の中心に集まっています。
手首の腱鞘炎は動きの幅が広い甲側に多く見られ、指の腱鞘炎(屈筋腱炎・ばね指)は使用頻度が高くなる手のひら側に多く見られます。
冷却と電気処置で腫脹は減少してきますが、腫れが引いてこない場合はガングリオンの可能性を考慮に入れます。
この場合は温めて循環機能を上げた後に、腱鞘内に溜まった液体を腱鞘外へ押し流していきます。
局所に集中した腫れが分散されることで、腱鞘の中に出た液体は吸収されてなくなり、ガングリオンという病態は消失します。
手や肘のストレッチ
手や肘は仕事をする上で、肝心・要のはたらきをしています。
使い過ぎれば消耗もします。
力仕事の方はもちろんですが、デスクワークにおけるマウスクリックや入力作業の多い方も使用頻度の高さから消耗していると言えるでしょう。
酷使・消耗が続くと、あるとき突然痛みに襲われたり痛みで手や肘を使いづらくなったりします。
使い勝手の良い手や肘には、普段から適度なリラックスが必要です。
腕に循環を入れてリラックスさせるストレッチのやり方は以下の通りです。
手や肘を酷使している自覚がある方には、日常のちょっとした時間に行ってもらいたいです。
手や肘をリラックスさせるストレッチ
①腕と肘を真っ直ぐにしつつ、手のひらを外へ向けて伸ばします。
②外に向けて伸ばし続けながら、腕を前から後ろへ捻じっていきます。
③外へ向けて伸ばすことを続けつつ、腕を後ろから前へ捻じっていきます。
④ポイントは、外に向けて伸びる力を続けつつ肩甲骨からまわすイメージを持つことです。
気持ち良くのびることを念頭において、1日に1回数分間でも効果はしっかりと出てきます。
スポーツ別の起こりやすい怪我
手首や指、肘を使うスポーツは様々なものがあります。
その中でも、特定の動きが繰り返されることで起きる消耗的疾患が『ゴルフ肘・テニス肘・野球肘』です。
手首や指のケガはスポーツの種目を問わず、あらゆる場面で起こりえますので、この項では肘の3つの怪我をピックアップしてお伝えしていきます。
ゴルフ肘
ゴルフスイングに伴う力みが元で、肘にかかる負担が偏り続けることで出る痛みを言います。
右打ちの人の場合は、左肘には外側の骨付近の筋の腫れと痛み。
右肘には内側の骨付近の筋の腫れと痛みが出ることが一般的です。
練習をし過ぎた時やゴルフ場でのプレー中に”ダフッた”場合などでも発生する事があります。
テニス肘
サーブとフォアハンドで出る内側上顆型と、バックハンドで出る外側上顆型の2種類の痛みがあります。
腕のしなりを使いつつ、インパクトの衝撃も加わるため、靭帯の弛緩と筋の緊張が痛みを誘発します。
やはり練習をし過ぎた時や、ラケットの芯を外した強打が続いたり、フレームに当てて打ってしまった時に痛めるケースもあります。
野球肘
投球に伴う球数の多さがもとで、肘の内側が痛む疾患です。
成長期の子供の方が罹患数が高いため、投球数の制限など指導する側の管理が必要だと考えられています。
稀に筋の痛みにとどまらず、靭帯や筋の付着部分の剥離骨折がもとで起こる『関節遊離体』に発展、悪化するケースもあります。
肘の関節の中を動きつつ肘関節への痛みを引き起こすため、『関節鼠』という別名もあります。
3つの疾患をお伝えしましたが、治療の方針に共通することは肩甲骨の柔軟性の向上です。
肩甲骨の柔軟性が高ければ、身体の中心から力を伝達する事ができ、いわゆる”手投げ・手打ち”という状態がなくなっていきます。
肘への処置はもちろんですが、肘に集中してかかる負担をいかに減らしていくことができるかが回復への近道と言えるのではないでしょうか。
手首・肘への万全のケア
手首と肘にかかる負担が想定内であれば、スポーツで痛める可能性も格段に減らすことができます。
もし痛めてもケアが正しくて早ければ早期回復も可能です。
まずお伝えしたいのが運動をする前には”動ける準備をする”ことが大切ということです。
ウォーミングアップや準備運動といったことが当てはまります。
ここで問題になるのが、「痛みがあっても競技に出なければいけない人」の場合です。
この時ばかりは、事前に処置にお越しいただく必要があります。
その際は運動時にかかる肘や手首への負担を軽減させるテーピングやサポーターの処方もさせていただきます。
更にこれから行うスポーツによって、身体にかかる負担を分析・フォームチェックなどを行って、運動中の怪我のリスク対策も行います。
運動後のアイシングとストレッチも欠かさず行っていただけると、運動後の回復も早まります。
あなたのスポーツライフが楽しく爽快でいられるように、ぜひとも私たちにお手伝いをさせてください!