第9回:ギックリ腰の季節!ギックリ腰の本当の原因は腰ではない?
急な腰の痛みのご相談にみえる方が多くいらっしゃいます。
今回はそんな「ギックリ腰」について寄せられるご質問にお答えします。
こんにちは。意識を最適化して自己実現達成のための姿勢のスペシャリスト
猫背矯正マイスター®の三輪 裕司です。
1日3分、読むだけであなたも綺麗な姿勢になれる!
猫背矯正チャンネルでは猫背を知り尽くした専門家によるヒントやアドバイスを発信していきます。
今回は「ギックリ腰(急性腰痛)」についてお伝えしていきます。
私の勤める月の輪接骨院にも最近ギックリ腰の方が腰をおさえて多くお越しになります。
若い方でも皆さん、背中の丸まっているご老人のような姿勢をされています。
「猫背は直したいけれどまずは腰の痛みを何とかしてほしい・・・」
この間お見えになったのは、そんな20代の女性の方でした。
そこで、今回は特にギックリ腰の方から多い質問をまとめてみました。
ギックリ腰ってどんな状態?
ギックリ腰は「背骨の連結」の異常
人の身体は背骨が積み木のように並んでいます。
頚椎7個 胸椎12個 腰椎5個
合わせて24個の背骨があり、
その下に骨盤があります。
背骨は前後にSの字のような綺麗なカーブを描くことで、身体にかかる圧力を分散しています。
その絶妙な「背骨と背骨の連結」が、人が身体を支えたり動かしたりするのにちょうどいいわけです。
この背骨の連結に逸脱した状態が起こっている事が、
まさに「ギックリ腰」状態と言えます。
ギックリ腰になるとどうなる?
ギックリ腰の際は「軟部組織」と言われる、構造上骨を安定させるための部位が傷つくことで、鋭い痛みと共に炎症が起きてしまいます。
身体をまっすぐに起こそうとすると突き込むような痛みが走り、少し前屈みでいないと痛む状態になります。
脚に力が入らないなど、痛みを感じるだけでなく運動神経にも影響を及ぼします。
ギックリ腰ってどんな時に起きる?
ギックリ腰の原因は蓄積された疲労!
ギックリ腰という「結果」に至る前には、必ず「原因」があります。
一撃で発生するギックリ腰というのは実は稀で、
多くは「蓄積された全身疲労」が元です。
「肉体労働」「頭脳労働」や「睡眠不足」「暴飲暴食」など、身体の無理がたたると、
軽微な動作であっても突然起きたかのように痛みが発生してしまいます。
動きとしては、前かがみの姿勢で背中の筋肉が引っ張られた時に
腕を伸ばす動作をした時が特に危険です。
さらに背中の筋肉が引き伸ばされることで、
背骨と背骨の骨の連結が崩れてしまいためにギックリ腰になってしまいます。
ギックリ腰の本当の原因ベスト6
腰痛の際、本当に固まっているのは腰以外の筋肉?
ギックリ腰に代表される腰痛の際は、
腰の筋肉がガチガチになってしまっているイメージがありますよね。
マッサージ屋さんで腰を揉んでもらいたくなりますが、
実は腰が固まっているのは腰以外の筋肉がガチガチなためなのです。
腰の動きが悪くなっているのは、7割以上は腰ではなく
腰の周囲の筋肉が固いために腰が悪くなっていることがわかっています。
腰の周囲の筋肉とは
ここで腰痛の原因となっている、腰以外の6つの筋肉を紹介します。
- 第1位:大殿筋(お尻の筋肉)
- 第2位:大腿筋膜張筋(股関節の筋肉)
- 第3位:大腰筋(お腹の筋肉)
- 第4位:広背筋(背中の筋肉)
- 第5位:大腿四頭筋(太もも前側の筋肉)
- 第6位:僧帽筋(肩の筋肉)
腰の周りの筋肉と腰痛の関係
腰ではなく上記のような腰のまわりの筋肉が硬く動きが悪くなると、反対に腰は動きすぎる状態になります。
それが原因で、骨と骨との連結の逸脱が起きやすくなるのです。
つまり筋肉の伸張力の不均衡が起きてると痛みが出てしまうんですね。
筋肉はバランスよく柔らかい状態が理想的です。
バランスよく硬いのはまだましです。
硬い所とやわらかいところがアンバランスな状態が、1番ギックリ腰の起きる要因となりやすいのです。
ギックリ腰って冷やすの?温めるの?
この話は実は、お医者様の中でもどちらの説も唱える人がいるくらい難しい問題となっています。
しかし、痛む部分を温めてしまったがために痛みが悪化してしまうケースがしばしばあります。
骨と骨の連結がズレてしまうと、腰は熱を持ってきます。
それを炎症反応というのですが、これは身体の中で傷ついた組織を修復するときに起こる身体の反応です。
基本的に温めることは血液循環を促進するので良いことですが、
急性期、つまり痛みが出てから4日間くらいは冷やした方が良いと考えます。
腰を自分の手で触ってみて下さい。
他の部分と比較して熱っぽいのであれば、冷やすことで痛みの元である血液中の発痛物質の働きを緩慢にします。
また冷たい感覚を「冷覚」痛みの感覚を「痛覚」と言いますが、神経の伝わるスピードは「冷覚」の方が早いことがわかっていて、一時的に痛みを抑えることが可能です。
ギックリ腰になったら何をすればいい?何をしてはいけない?
これにはひとつの正解というものはありませんが、
痛めてからの時期に応じてご説明いたします。
痛めた初日
痛めた初日にはなかなか無理はできませんので安静が必要です。
接骨院などに行けるだけの余裕があれば身体をみてもらって、
コルセットを処方してもらいましょう。
痛めた箇所は温めず、冷やしましょう。
15分間ぐらいを何度かに分けるのが良いです。
痛めてから2日目
2日目からは、少しずつ動いていきましょう。
安静が長ければそれだけ筋肉も固まってきてしまいます。
睡眠時や起床時は特に注意が必要です。
睡眠時には楽な横向き姿勢を探してください。
脚にクッションなどを挟んで寝るといいでしょう。
起床時にはうつ伏せから背骨をねじらないように
まっすぐに起き上がり、
正座になって起きるイメージをして下さい。
その時はちょっとおへその下に力を入れながら起きるとスムーズです。
やってはいけないこと
ギックリ腰の際にやってはいけないこととは・・・
「そのうち良くなるかなー」と考えて
痛みが出てから10日以上も様子を見て
時間が過ぎてしまうことです。
ギックリ腰から慢性腰痛に進んでいく可能性があり、回復がどんどん遅くなってしまいます。
当日か翌日から早期に何かしらの対策を取れたら回復はかなり早くなります。
まとめ
ギックリ腰は腰そのものに原因がある事は少なく周辺の筋肉の固さが元になります。
生活習慣の不規則さやハードワークから全身疲労を招き、ギックリ腰を引き起こすことが多いです。
ギックリ腰対策として大切なのは、無理をしすぎないこと。
日頃から身体を労わってあげて下さい。
なってしまったのなら我慢せず、専門家にご相談ください。
今回の内容へのご意見・ご感想・その他ご質問は、猫背矯正チャンネルまでお願いします。
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