第90回 「姿勢・疲労」には抗重力筋が関係する!
「根本的な身体の不調の原因は、疲労から始まり、猫背姿勢が継続することで結果的に負担が増えてくる」
当院は、構造的・機能的にバランスのいい身体をご提案させていただいて根本的な解消を目指しております。
そこで皆さんにお尋ねしたいことがあります。
「これから人生100年時代、頭のてっぺんから足のつま先まで何不自由なく自分がイメージした通りに身体が動かせることって、最も価値があり、幸せなことだと思いませんか?」
ごく当たり前な質問ですが、そのごく当たり前なことがとても重要だということなんです。
何故、そのような話がしたい境地に至ったかと申しますと、最近ある芸人の方が股関節の骨を壊死による人工関節の置き換え手術を行った方がおられます。
こちらの骨の壊死へ原因が不明とされており、激痛が伴います…。
人を笑顔にする芸人という職業の方が、脚の痛みと共に脚を引きずってしまっているというのをTVなどで見るというのは…なかなか笑えたものではありません…。
人は必ず最後には死を迎える生き物ですが、できるだけ何不自由ない身体の動きというのは誰しもが獲得したいと思っているはずです。
そこで、大事な自分の身体のためにどんなセルフケアが良いのか?ということなんですが、ちまたには様々なスポーツや運動、ストレッチがあると思います。
結論、極端に片腕や片脚だけを酷使するスポーツはバランスはどうしてもく崩れるので、おすすめはしませんがそれ以外は楽しく続けられるのならなんでもいいのではないでしょうか!
大切なのは、やはりどの部位に対してセルフケアをするのか?ということですね。
そこで今回は「抗重力筋」という筋肉をケアすることについてお話をさせていただきます。
「抗重力筋」とは…!?
立っている時でも、座っている時でも重力というものがかかります。
動きに抗う姿勢のことを「抗重力姿勢」といい、それを維持するために働く筋肉のことを抗重力筋といいます。
「抗重力筋」はどこのこと?
抗重力筋の中の主要姿勢筋
①頚部伸筋群(首の後ろ)
②脊柱起立筋群(背中)
➂大腿二頭筋長頭(太もも裏の外側)
④ヒラメ筋(ふくらはぎ)
上記の4つは抗重力筋の中でも主要姿勢筋です。
前にかかる力を後ろから引っ張るように支えている筋肉です。
この主要姿勢筋に対してはストレッチが良いと思います。
筋緊張をおこして、疲労物質が溜まっている抗重力筋は「圧痛」があります。
自律神経は乱れてセロトニンと呼ばれる神経伝達物質が減少すると不調が起きますし、疲労も溜まるし、猫背になってしまいます。
これらの筋肉の硬さをストレッチで開放していくのが◎です。
その他の抗重力筋
①頚部屈筋群(首の横)
②腹筋群(お腹)
➂腸腰筋(腰~股関節)
④大殿筋(お尻)
➄大腿四頭筋(太もも前)
⑥大腿二頭筋、短頭、半膜様筋、半腱様筋(太もも裏の内側)
⑦前脛骨筋(膝下・脛)
⑧腓腹筋、内側頭、外側頭(ふくらはぎ)
これらの筋肉はストレッチでも構いませんし、エクササイズ(トレーニング)でも言いと思います。
※特に痛みが強くて出来ない人は無理してする必要はありません。
大切なのは、「継続する習慣」ですね。
最低限『主要姿勢筋』のストレッチをすると良いですね!
余裕のある方は、その他の抗重力筋へアプローチするのをおすすめします。
ご自身が気になっている部分だけをトレーニングしたり、ストレッチしがちですが、結果が出にくいと思います。
欲しい結果とは人それぞれですが、疲労回復や不調解消、代謝アップや理想のボディメイクなどなど。
この抗重力筋という視点を加えていただくだけで身体が好転していくこと間違いないと思います。
是非チャレンジしてみて下さい。
参考資料:『 姿勢の教科書 』
首都大学東京大学院教授 理学療法士・医学博士 竹井 仁 著