●手首の腱鞘炎
手首の腱鞘炎
手首に出る腱鞘炎には、腱鞘とその中を通る腱の炎症によって生じた腫脹(組織の水ぶくれ)による痛みと、ガングリオン(腱鞘の中に出た液体)による痛みがあります。
処置の方法もこの2種類では違いがあり、適切な方法を選んでいきますが、この項では痛みの解説を中心にお伝えします。
ドゥケルバン
親指と手首をよく使う職業の方や、30代以降の女性に多い疾患です。
腱鞘炎の最も多い状態で、処置とともにサポーターによる固定を併せて行うことで治癒率を高めることができます。
母指を握りこぶしの中に入れて握らせて、手関節と親指を術者が伸ばすと痛みを訴えるという「Finkelstein’s test」を行って、痛みの程度がひどければ一刻も早い対応をお勧めします。
母指以外に発症した腱鞘炎
前の項で上げた「ドゥケルバン」以外の腱鞘炎は、職種や趣味での偏った使い方の連続で起こることがあります。
上の絵を見ていただくとわかりやすいのですが、手の甲側の腱鞘は幅広く振り分けられていて、手のひら側の腱鞘は手首の中心に集まっています。
手首の腱鞘炎は動きの幅が広い甲側に多く見られ、指の腱鞘炎(屈筋腱炎・ばね指)は使用頻度が高くなる手のひら側に多く見られます。
冷却と電気処置で腫脹は減少してきますが、腫れが引いてこない場合はガングリオンの可能性を考慮に入れます。
この場合は温めて循環機能を上げた後に、腱鞘内に溜まった液体を腱鞘外へ押し流していきます。
局所に集中した腫れが分散されることで、腱鞘の中に出た液体は吸収されてなくなり、ガングリオンという病態は消失します。
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